今号で、来春行われる北海道議会議員選挙の情勢について書いた。その道議の話である。

 十月の道議会で、議員定数の削減が決まった。これまで百六(現在は欠員六)だった定数が二議席減って、百四になった。なぜか、新聞各紙をはじめとするマスコミは、それほど大きく取り上げなかった。その理由は、多分、各社が「バカバカしくて報道する価値もない」と考えたからだろう。

 議席が減ったのは、渡島と網走の選挙区。それぞれ定数三が二に、一議席減った。その選挙区事情をみれば、今回の二議席削減の裏がはっきりと読める。渡島は、〇八年に自民党の道議が死去し、欠員一で、残りの二議席を自民と民主で分け合っている。網走は、自民二、民主一の議席を持っているが、自民の一人が今期限りで引退が決まっている。現職の議席は確保できるというわけだ。削減されたどちらの選挙区も、現職への影響はない。

 人口が五百万人以上の都道府県議会で、議員一人当りの人口は、道議会が最も少ない。つまり、人口に比べて議員数が多い。ちなみに、千二百万人以上の人口を抱える東京都議会議員の数は、百二十七人。議員一人当たり十万千三百人。人口七百十七万人の埼玉県の議会は九十四人の定数。人口約五百五十四万人の北海道とほぼ同じ人口の兵庫県の議員定数は、九十二人。議員一人当たり六万七百六十人。北海道は、議員一人当たり五万三千人。二議席の削減を「断行」した結果、千人ほど増えた。

(工藤 稔)

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