やっと夏らしい暑さになった。「暑気払い」の意味を込めて、少々軟らかな話題を。

 福島第一原発の事故以来、毎日のようにテレビで顔を見ていて、なんだか知己のような感覚さえある経産省原子力安全・保安院の西山英彦審議官(54)が六月二十九日、更迭された。三十日付の朝日新聞は「西山審議官は週刊誌で女性問題が報道され、海江田万里経産相から二十三日に厳重注意を受けていた。当初は続投する予定だったが…」と、第二社会面に写真付きで報じた。「報道の件で問い合わせがあり、対応に支障を生ずる」というのが更迭の理由だという。

 六月二十三日発売の週刊新潮が、西山審議官が同省の二十代後半の女性職員と深夜、都内のホテルのバーでお酒を飲み、帰り道にキスを迫った云々、というスキャンダル記事を載せていた。海江田経産相は「あそこで情報を発信するには国民からの信頼がなければならず、より適任な方を選んだ」と説明したとされる。

 思うんですけど。西山審議官は原発事故から三日目の十三日から、お粗末な前任者のあとを継いで、原子力安全・保安院の広報官を務めてきた。東電に娘を就職させたとの一部報道もあったが、テレビのこちら側で観ている人間の一人としては、「そつなく」仕事をこなしていたという印象である。

(工藤 稔)

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