花より団子。雨降りは好きだが、月をめでる趣味はない。ガキの頃から川や山や田んぼや畑で遊んだが、花や鳥はそれほど…。還暦を目前に、その傾向は治まるどころか、ますます度を強くしていると自覚する。

 一カ月ほど前、会社の玄関横に、女性記者がアサガオの苗を植えた。日当たりの悪い、石ころだらけ、肥料っ気のない土なのに、二十ほどの苗は、見る見る成長して蔓を伸ばした。地面に這って、いかにも「つかまらせてください」と訴える風情になり始めたころ、彼女は社の倉庫にあった竹の棒を取り出して格子状に組み、外壁に立てかけた。

 あらら、和風の竹の格子に絡むアサガオちゃんがあるだけで、紫色の花が一つ、二つ咲いているだけで、殺風景だった社の建物が何となく“粋”に見えるじゃないの。花壇より家庭菜園という価値観は変わらないまでも、高齢者の仲間入りをする歳になってようやく花鳥風月の最初の一文字、「花」を「あら、きれいね」と感受できる段階に到達したということか。同時に、「枯れる」気分をひしひしと自覚しつつある今日この頃ではある。枕はここまで。

 前週、市内を流れる石狩川の河川敷で、国土交通省北海道開発局が進めている工事の「お知らせ」の看板について書いた。周囲をネットで取り囲んで立ち入り禁止にし、大型重機を使って巨大な穴を掘っているが、その工事が何の目的で行われているのかの掲示がない、という内容だった。読者から、メールが届いた。その抜粋を紹介する。

(工藤 稔)

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