彼は、怒った。「あの公園のいわばシンボルの一つとも言える、あの辺りの大きな木を伐るとは、何を考えているんだ」。頭の毛を逆立てるほど怒った彼は、いきなり会を立ち上げた。その名を「ときわの森ファンクラブ」という。

 旭川市は七条緑道と常磐公園、石狩川・牛朱別川の河畔を含む地域を「文化芸術ゾーン」として整備する計画を進める中で、「常磐公園改修事業基本計 画検討懇談会」を設置した。公募二人を含む九人の懇談会の委員長は大野仰一・東海大学教授。七月以降、これまで三回開かれている。

 その二回目の懇談会の模様を本紙九月二十日号が伝えた。整備計画には、「にぎわい空間の創出」だとか、「文化・芸術の回廊」だとか、「来訪者の利 便性」だとか、懇談のテーマはいくつかあるが、最大の関心事は「常磐公園と石狩川との間にある堤防の強化を目的に、堤防の公園側斜面に自生する樹齢百年を 超える巨木を含む百九十四本の樹木を伐採する計画」だ。公園改修は旭川市の事業だが、堤防工事は国、つまり国交省北海道開発局が事業主体。

 その記事を読んで怒りまくり、伐採に反対する会を立ち上げた彼は、元全国紙の記者。旭川に二年余り勤務した時代に、すっかり旭川が好きになり、在 職中に常磐公園に面した土地を購入した。定年退職した今春、その土地に家を建て、今は毎朝夕、愛犬と公園を散歩する。

(工藤 稔)

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