「これって、いいんだべかぁ」と、頭を傾げてしまう事態とか、事象とか、問題とかが、このところやけに多い。例えば、北海道電力泊原子力発電所三 号機のプルサーマル計画を巡る「やらせ」問題の決着の仕方である。新聞やテレビの報道から、私たちは、「〇八年度中にプルサーマル計画を了承しなければ、 道は六十億円のプルサーマル交付金を受け取れなくなるため、道の担当課長(当時)が北海道電力側に対して、賛成意見を多く出す仕掛けを依頼する発言をし た」と理解している。

 道が設置した、道の立場をおもんばかる姿勢が顕著な検証委員会でさえ「手続きの遅れを取り戻す必要があり、賛成意見を顕在化させたいとの考えで発 言したと推測し得る」と指摘している。事実、高橋はるみ知事は、年度内の〇九年三月、プルサーマル計画を了承した。高橋知事は、「本人に賛成意見を依頼す る意図がなかったとしても不適切だった」として、元課長(現・釧路総合振興局長)を厳重注意の処分にした、のだそうだ。当の知事本人は、一〇%の減給一カ 月。約百三万円の給料が、来年一月は約八十九万円に減額されるらしい。

 元課長は、上司(この役目って知事だべか。何て注意するんたべか。メッってにらむんだべか)に厳重に注意されるだけで、知事はたかだか十万三千円 給料が減るだけで、かくして多くの問題や危険性を指摘されているプルサーマル計画は見直されることなく、フクシマのあの惨状を体験しながら、何事もなかっ たかのように着々と進行する。「これって、ホントにいいんだべかぁ」。

 もう一つ。その高橋知事をはじめ道庁も議会も、政治家も、道内の経済団体や各種団体も、沿線でもなんでもないほとんどの自治体も、なんだか挙げて賛成しているような雰囲気なのだが、あの北海道新幹線って、本当に北海道に必要なのだろうか。

(工藤 稔)

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