人生の半分の時間を探し物で費やしている気がする。今も、年明けの、ある団体の新年会の招待状を、確か「出席」に丸をつけて、ここに置いてあったはずなのに、ない。書類と資料の山を探っているうちに、十一月二十二日付の朝日新聞朝刊一面の切り抜きが出て来た。いつかネタにしようと取ってあったようだ。すっかり忘れていたけど。

 で、探し物の方はどこへやら、つい「無料検診 作業員の3・7%―収束宣言後、打ち切り」の見出しのトップ記事を読み込んでしまった。リードにいわく――

 「東京電力福島第一原発で原発事故から今年9月までに働いた2万4118人のうち、国と東電のがん検診制度を無料で受けられるのは904人で全体の3・7%にとどまることがわかった。国と東電が、50㍉シーベルト超の放射線を昨年12月の野田政権による事故収束宣言までに浴びた場合に限る、と期限を切ったからだ」

 記事によると、国は福島第一原発で働く作業員を「緊急作業に従事する作業者」とし、昨年十月、そのうち百㍉シーベルトを超える放射能を浴びた人は、生涯にわたり年一回、無料でがん検診を受けられる制度を設けた。一回約五万円の検診費用は雇用する会社が負担するが、作業員が会社を辞めた場合は、国が負担することにした。

(工藤 稔)

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