こんな時代錯誤の人間が、総理大臣が主宰する「産業競争力会議」のメンバーに選ばれて、思い付きの、外国パクリの、愚にもつかない妄想みたいな話をくっちゃべって、それをマスコミが取り上げたりするから、またまたオダッテ(北海道弁で、調子に乗って、図に乗って)、品格のないバカ話を吹聴するのだ。

 猪瀬直樹東京都知事は、世界の企業を東京に呼び込むための対策として、日本の標準時間を二時間早めて、東京の外国為替市場や株式市場を世界で一番早く始まるようにすると提案したのだそうな。二十三日付の朝日新聞によると「アジアの金融センターとしての地位をもう一度確立させる。お金が回り、デフレ脱却につながる」と語り、シンガポールが一九八二年に、標準時間を一時間早めた例を挙げて、政府が創設する「国家戦略特区」での実現を求めたという。

 その特区の発案者は、同じく会議のメンバー、竹中平蔵慶大教授。あらら、お縄になったホリエモンを選挙に引っ張り出した、経済一辺倒、格差社会実現を推進する学者先生もアベノミクスのお先棒を担ぐ面々に名を連ねているのね。竹中先生は、当然、知事のアイデアに同調する。「非常にインパクトのある提案。是非やってほしい」と持ち上げて見せた。だが、甘利明経済再生担当相は「面白いアイデアだと思うが、二時間ですからね。冬(の朝)は真っ暗かな」と否定的な感想を述べたと、二十三日付の北海道新聞の記事にある。

 東京オリンピック招致にご執心のあまり、異文化に対する蔑視発言で馬脚を現したこの都知事、名誉挽回をと張り切っちゃって、二十二日付毎日新聞によれば「二つの繁華街、渋谷―六本木間の都営バスで年内にも終夜運行を始める」とぶち上げたという。結果次第では他路線にも広げる、と記事にある。さらに、都営地下鉄の終夜運行も可能性を模索する考えだそうな。

(工藤 稔)

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