今朝、「カウ カウ カウ」と心地良い鳴き声を聞いた。見上げると、青い空に二十羽ほどのコハクチョウの隊列が、まさにカギになり、サオになり、石狩川の上流の方向に遠ざかって行った。庭の雪が解け、フキノトウが顔を出した。例年になく穏やかな冬だったとはいえ、春の訪れはやっぱり心弾む。

 今年は畑の雪割りをせずに、解けるに任せることにした。それでも来週には、一回目の畑起こしが出来そうだ。今年は何を作ろうか。家人と「ニラの種を蒔いてみようか。菜の花もいいね」などと話している。寒くて雪が降る北国に暮らしているからこそ感じられる喜び。そろそろ昨秋種を埋めた、ニンニクの芽が出て来るぞ。枕はここまで。

 旭川市の高等教育を考える会議(委員長・吉田貴彦旭医大教授)が三月三十日、西川将人市長に報告書を提出した。ざっくり説明すると、旭川を含む道北地域の「ものづくり」や建築、デザイン、芸術などの分野で大きな役割を果たしてきた東海大学旭川キャンパスが閉鎖する(二〇一三年に札幌に統合)という事態を受けて、危機感を抱いた市内の企業経営者らが、旭川に公立「ものづくり大学」の設置を目指す市民の会(長原實会長)を立ち上げて積極的な活動をスタートした。一方で、私立の旭川大学(山内亮史理事長・学長)が「公立大学設置の議論に、私たちの大学の存在を忘れてもらったら困る」との主旨の要望を旭川市に伝えた、という経緯がある。それが二〇一一年から、二〇一二年にかけてのことだ。

 旭川市は、二〇一三年度に調査費として五十万円の予算を措置した。ある市幹部によれば、この段階では、公立大学が西川市政の重点施策になる可能性は限りなくゼロに近かったという。ところが、市民の会が集めた四万三千筆の署名やら、市長に対する様々な角度からのアプローチが功を奏したものか、二〇一四年度には、市長の言葉を借りると「本市における公立大学の可能性を真剣に検討するための懇談会のようなもの」、つまり私的諮問機関をつくるとして百万円の予算が付いた。提出されたのは、その報告書というわけだ。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。