八日正午、NHKテレビのトップニュースは「イギリスの総選挙で保守党が第一党になると予測される」という話題。はっきり言って、「あら、そうなの」と右から左に聞き流す程度のニュースバリューよ。続いて、火山性地震が頻発して蒸気噴出の勢いが強まっている神奈川県の箱根山・大涌谷に関する情報。そして三番目が、TPP(環太平洋経済連携協定)を巡って、内閣府の西村康稔副大臣が、交渉中の条文案を国会議員に開示する方針を撤回した、というニュースだった。
常識的には、伝える価値が高いニュースから順に報道するのだが、NHKはその慣例を覆し、あまり意味がないニュースを先に流すスタイルに変えたのかな、なんて深読みしたりして。
そりゃあ世の中、猫も杓子もグローバリゼーションなのかも知れないが、平日の昼にテレビのニュースを眺めている私たちザ・庶民にとって、地球の裏側の国の選挙で、保守党が勝とうが労働党が負けようが、そんなことどうだっていいわい。なぜ、これが大涌谷の火山噴火の情報や私たちの暮らしに直結するTPPに関するニュースよりも先に報道されなきゃなんないの、よう、籾井勝人会長のNHK…。書いていて気が高ぶってきたぞ。ここは少し落ち着いて、NHKにイギリスの選挙情勢よりもニュースバリューが低いと判断されたTPPについて、翌九日付の朝日新聞の記事を少し長いが引用する――。
交渉中の環太平洋経済連携協定(TPP)の条文案を国会議員に開示する方針を示していた内閣府の西村康稔副大臣が7日、一転してその方針を撤回した。野党は、議員に開示している米国並みの情報公開を求めて、批判している。

(工藤 稔)

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