五月末の低温で苗がやられたキュウリだが、生き残った子が健気に花を咲かせ、実をつけ始めた。今朝、六本目を収穫。ナスはまだ小さかったが、二個、順調なナンバンも四、五本採れて、今季初の自家製の「遠藤漬け」を作った。

 十五年ほど前のこと、勤めていた老人ホームで、家人が「遠藤さん」というおばあちゃんから教わった、夏の漬け物だ。家人は、「遠藤さんが作ると、ゆで卵でさえ、何だかおいしいのよ。本当なんだから」と言う。博打と酒が好きな亭主で苦労したという遠藤ばあちゃん直伝の漬物は、キュウリとナスをともに五㍉角ほどの大きさに切り、ナンバンを輪切りにして、みんなボールに入れ、そこにしょう油を注いで混ぜ合わせる、それだけ。ちょっと丁寧に混ぜれば、作ってすぐに食べられる。時々かき混ぜ、新たにキュウリやナスを足しながら、水っぽくなるまで四、五日は食べられる。熱々のご飯にのせてもうまい。

 自分で育てた野菜を使うと格別だけれど、買った野菜でも十分に美味。血圧上昇に気を付けながら、お試しあれ。枕は、ここまで。

 参院選で沖縄県民が現職大臣を惨敗させた見せしめの意味もあるのかも知れない。安倍晋三政権が、沖縄で強権を発動する動きを始めた。七月二十三日付の毎日新聞を引用する。

 ――米軍基地負担を巡る政府と沖縄県の対立は、22日にさらに深まった。政府は米軍北部訓練場(沖縄県東村=ひがしそん、国頭村=くにがみそん)の一部返還に伴うヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)の移設工事を再開するとともに、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡っても県を相手に新たな訴訟を提起。これを受け、翁長雄志知事はこれまで賛否を明確にしてこなかったヘリパッド移設工事への反対姿勢を強め始めた。両者の対立は混沌(こんとん)の度合いを増している。(引用終わり)

 二月末から三月にかけて、わずか三泊四日の日程だったが、私は沖縄に出かけ、三月八日号から六回、小欄にそのリポートを書いた。いま沖縄でこの国の民主主義が問われている、沖縄の人たちが、その最前線で、差別的に孤立させられながら闘っている、現地を見よう、その現場に立とう、沖縄の人の話を聞こう、そんな気持ちが、私を沖縄に向かわせた。

 二十二日夜のテレビニュースで見覚えがある東村高江のN―1ゲート前の映像が流れた。工事再開に反対・抗議する住民や支援者らを、全国から動員されたという五百人の機動隊員が排除する。男性を拳で殴る、座り込む女性の腕や足を数人がかりでつかんで持ち上げる、ワゴン車の上から抵抗する女性を逆さまに引きずりおろす、そんな光景が映し出された。

 沖縄最大の訓練場、米軍北部訓練場は、豊かな亜熱帯の森が広がる沖縄本島の北部、山原(やんばる)と呼ばれる地域にある。面積約七千八百㌶。東村、国頭村、大宜味村(おおぎみそん)の三村にまたがる沖縄最大の訓練場だ。米軍はここを「ジャングル戦闘訓練センター」と呼ぶ。一九五七年に使用が始まり、ベトナム戦争の頃はゲリラ戦の訓練が行われた。現在も年間約七千人の海兵隊員が戦闘訓練や地雷敷設、サバイバル訓練を行う。

 

(工藤 稔)

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