かなり久しぶりに産経新聞を手に取った。平和憲法の改正を強く主張、安倍政権礼賛を旨とする新聞である。十一日付の同紙が、訪米した安倍首相とトランプ大統領について“スクープ”を掲載したと知って、定期購読している知り合いの社長から手に入れた。引用する。

 ――米大統領選で日本に対して厳しい発言を繰り返してきた大統領のトランプが、これほど首相、安倍晋三を厚遇するのはなぜか。実は伏線があった。

 昨年十一月の米ニューヨークのトランプタワーでの初会談で、軽くゴルフ談義をした後、安倍はこう切り出した。

 「実はあなたと私には共通点がある」

 怪訝(けげん)な顔をするトランプを横目に安倍は続けた。

 「あなたはニューヨークタイムズ(NYТ)に徹底的にたたかれた。私もNYТと提携している朝日新聞に徹底的にたたかれた。だが、私は勝った…」

 これを聞いたトランプは右手の親指を突き立ててこう言った。

 「俺も勝った!」

 トランプの警戒心はここで吹っ飛んだと思われる。トランプタワーでの初会談は90分間に及んだ。(後略)

 安倍首相が何を指して「朝日に勝った」と言っているのかは分からない。ただ、十三日に帰国した首相は、BSフジの報道番組に出演して「帰国第一声」、その足でNHKに駆け付け「ニュースウオッチ9」に三十一分間も出演してトランプ大統領との会談について語った。翌日の朝日は、一面から二面、三面まで、テレビでの首相の発言をもとにした記事を掲載した。翌朝、何だか後追い記事を読まされている感覚に陥ったのだった。同日付の毎日は、首相のテレビでの発言にほとんど触れていないのと対照的である。もしかすると、このテレビ出演後追い記事が首相に「朝日に勝った」と豪語せしめた表れなのか。枕は、ここまで。

 男性読者から、「パブコメに目を通して、チョットがっかりしたもので」とのメールが届いた。前号の小欄で書いた、新庁舎建設基本計画案に対する「パブリックコメント」のことである。彼は、一人の意見と、それに対する「市の考え方」に、「がっかりした」と言う。意見は次の通りだ。

 

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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