今号も、市役所の新庁舎建設について読者から届いたメールの一部を紹介することから始める。しばしば鋭いご指摘をいただく方である。六日に届いたメールには、「十五日の総務常任委員会が事実上の大きな山場になっちゃうかもね。何とかしたいですね」とある。

 ――(前略)総務常任委員会での議論もそうですが、数字で示される資料や情報がほとんどありません。アンケートの結果を詳細に分析し、予想できる数値・数字なんかもあると思うんです。例えば、アンケート結果報告の五㌻、「最近(おおむね五年以内に)市役所を訪れたことがありますか?」の問いを見てみましょう。回答者の七三・八%が「ある」と答えました。この年齢階層別グラフだけをパッと見ると、十八~十九歳を除けば、すべての階層で七〇~八〇%以上が来訪しているように錯覚しますね。実際は、三㌻の「回答者の年齢階層」を加味して計算するとどうなるでしょうか。私だったら、こんな風に紹介しますね。

 「市役所の利用状況についてアンケートの結果、おおむね五年以内に訪れた方は七三・八%でした。年齢別に見てみますと、十八~十九歳の市民は、訪れた方のわずか〇・六%、二十~二十九歳の方ですら六・二%しか市役所に来られていません。六十歳以上の方が来訪者の四六・三%になっています。そのうち七十歳以上のお年寄りが二二・七%も頑張って自ら来訪して下さっています。三十~四十九歳の最も活動的な方々、結婚、出産、子育て、教育……何となく行政との関わりが多いように感ずる世代の、来訪者の中に占める割合は三〇・一%です」

 「いかがですか。それにもかかわらず、『学生の自習スペース』が必要とか、子ども子育てがどうこうとか、結果、来訪者で賑わい…こんな議論をしていますよね。もっと言えば、旭川市の十五~十九歳の人口は、二〇一五年国勢調査で一万三千九百二人です。二十年前から、一万千三百八十三人減少しているんです。人口推計では、二〇二五年には一万千五百二十三人、二〇三五年には八千七百九十八人です。そして、老年人口比率が四〇・九%になるんですよ。『危ないから免許証を返納せよ』などと言われているご老人は、どうやって市役所に来るんですか。今日はこの辺でやめておきます」

 この方が「大きな山場」と見る市議会の総務常任委員会(上村ゆうじ委員長)は、十五日午前十時から、議会棟第一委員会室で開かれ、二回目の委員間討議を行う。市が公表した新市庁舎の「基本設計素案」について議員同士が議論を交わす。一月二十三日に、旭川市議会では初めて行われた第一回の議員間の討議に続く二回目の開催。前回は戸籍謄本・抄本や住民票、各種証明を交付する総合窓口を二階に配置する計画に対して、複数の議員から、「総合窓口は一階に置くべきだ。市民活動の支援機能のスペースを設けるために総合窓口を置くスペースがないというが、それを一階に置くことで、賑わいが演出されるのか疑問」に代表される強い疑義が示された。

 また、前号の小欄で「素案には、『将来構想における文化会館の建替えも視野に入れ、南北に入口を配置して、文化会館や駐車場からの動線を確保します』とある。担当者は口を閉ざしているが、現在は〝棚上げ〟という形になっている市民文化会館の建て替えを西川市長はあきらめてはいない。いや、むしろ想定している。とすれば自動的に、新しい文化会館の敷地となる七条地下駐車場は解体撤去されることになる」と指摘したところ、読者から「やっぱりか」とメールや電話、手紙が届いた。
 その中の一人からのメールには、次のようにある。

(工藤 稔)

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