二十日付朝日新聞朝刊の「川柳」欄に、「ゴルフしなけりゃ 電話で済むね 三重県 山崎末男」とあった。仲良しの米大統領「ドナルド」が、特別な友情に応えて「シンゾー」の窮地を救う外交の成果をプレゼントしてくれるかも、との目論見は見事に外れた。ゴルフの後、「ドナルド」「シンゾー」と呼び合う、小学生レベルの〝親友ごっこ〟を見せられて、気分が悪くなった。同時に、偉大な米国の王様の前で揉み手をする、植民地の統治者を見るようで、シンゾーお得意の〝自虐史観〟の裏返しだなぁなんて、考えたりした。枕はここまで。

今週も、新市庁舎について書く。前号の一面トップは、三月に公表された基本設計(案)の中の、八階「議会棟」について、議場の議員席や理事者席、傍聴席の配置、委員会室や議員控え室の見取り図など具体的なレイアウトを示し、「市民が足を向けやすい議会にするために、設計について意見を」と呼びかける内容だった。

記事に「議場を使用する定例議会や臨時議会、委員会室で行われる常任委員会や特別委員会など、何らかの形で議会棟を使用しているのは、年度によって差異はあるが、年間の半分弱だ。逆に言えば、一年の半分は使われていないことになる」とあった。

読者から、「正確性に問題を感じます」とメールが届いた。紹介する。

――多分、議会事務局で「議会報(年報)」等を調べたのでしょう。「年間半分は使用せず」は間違いです。あの報告は単純に、本会議の日数に委員会等の日数をプラスしているだけですから。
私の調べでは、平成二十三年(二〇一一年)ですが、定例・臨時合わせて会期は八十九日です。土曜日・日曜日・祝祭日は当然、会期中であっても休会です。したがって、審議日数は六十八日となります。そのうち三十九日は委員会・分科会、二十九日が本会議なのですが、委員会等と本会議が同日に実施されるケースもあり、実審議日数となると五十四日間でした。議会は一日の中でも「休憩」を上手く取って、議員の審議への集中を図っています。結果、実審議の時間数は、一年間で二百九十一時間五十七分、一日平均五時間二十四分の審議時間となります。

実働八時間の非正規の仕事で生活している市民も多くいる中で、この時間だと一年間に三十三日しか仕事しておられないんですよね。そのための議会棟ですか?(引用終わり)

メールは、議員の質問通告と、市の担当職員の事前説明、答弁調整や〝すり合わせ〟のために、市職員が多大な時間や労力を費やしていることにも言及し、「何だか組織の仕組みを丸ごと改革しなければならないようですね」と結んでいる。

メールの主がおっしゃるように、新庁舎の建設について、もっと基本的な議論をするべきだったのだ。この段階になって、新庁舎建設を象徴しているはずだった「シビックセンター」の具体的な姿について、市民を代表する市議の多くが、しかも所管する総務常任委員会の議員たちが、「イメージが湧かない」と公式の場で発言する異様な事態である。いかに、「市庁舎とは、そもそも何ぞや」「現時点で庁舎を建て替える理由は何ぞや」という根本的な議論が、市議の中でさえ不足していたということだ。まして、議会棟についての議論など皆無と言っていい。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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