田中良太さんのコラム「ニュースを読む」にもあるが、自民党総裁選=事実上の首相選びについて少々。安倍晋三と石破茂の一騎打ちになるようだが、石破が掲げたキャッチフレーズというのか、政治姿勢というのか、傑作だ。「正直、公正、謙虚で丁寧な政治」なんだと。つまり、いまの総理・総裁が、「ウソつきで、エコひいきをして、傲慢で、乱暴」な政治を行っている、という意味だ。それって、国民の共通認識ということなのね。枕はここまで(敬称略)。

 七月十日号の小欄の見出しは「新庁舎建設、計画そのものが破たんしているんじゃないか」だった。新庁舎が完成したら、今は民間のビルに“間借り”している教育委員会や農政部も新しい建物に入居できて、いわゆる「タコ足状態」が解消される、と勘違いしている市民がたくさんいる、市政の監視役の市議会議員の中にもいらっしゃるのだから、いわんや一般市民をや、という話を端緒に「そもそも論」に立ち返るべきではないか、と書いた。

 その後七月下旬、旭川市は新庁舎の「基本設計(案)」について、市民との「意見交換会」を三回開催した。当初は「市民説明会」だったはずなのだが、いつの間にか「意見交換会」という名になっていた。市が説明するだけではなく、市民と意見を交わす場にする、という意味なのかもしれない。担当部局の職員と設計を担う共同企業体の社員が説明し、参加した十六人から二十三人の市民が意見を述べ、それに担当者や設計者が答えるというスタイルだった。

 意見交換会の開催は、西川将人市長が議会答弁で、「市民への説明が不十分だった」と述べたことがきっかけだった。市民の意見を求めるパブリックコメントで「一階に総合窓口を」との声が圧倒的に多く、市議会でも一階に市民に利用させるという会議・集会スペースや、市政やイベントの情報発信、地場産品をPRするスペースを配置するという設計案に、疑問や異論が噴出したのだ。西川市長の答弁を受けて、担当部署が企画したのが「市民との意見交換会」だった。

 今月十四日、市のホームページに三回の交換会の報告書がアップされた。あさひかわ新聞は、三回の交換会で市民から出た意見のほとんどを、七月三十一日号と八月七日号にかなり詳細に掲載している。取材した記者と、「これって、市民説明会やパブリックコメントと同じように、“聞き置く”だけなのか? 単なる“ガス抜き”が狙いなのか?」などと話した。

(工藤 稔)

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