身を挺(てい)しジュゴンがちょっと待てという(京都府・山中あきひこ)――二十一日付朝日新聞の朝日川柳で、米軍の新基地建設が強行されている沖縄の海で、絶滅が危惧されるジュゴンの死骸が見つかったというニュースを知った。

 そういえば、前日は新聞をさらっと眺めただけだった。あわてて前日の各紙をめくり直した。朝日、毎日、日経に記事があった。写真を使っていたのは日経だけ。その記事によると、十八日午後五時過ぎ、沖縄本島北部の今帰仁村(なきじんそん)の陸から約二百㍍沖に漂流しているのを漁業者が見つけた。体長約三㍍。頭部や顔、胸のひれに傷や出血があったほか、様々な部分の皮がむけていたという。

 この周辺では個体識別されているA・B・Cの三頭が確認されていた。ジュゴンは、なぜ死んだのか。沖縄タイムス(二十日電子版)の社説の一部を紹介する。

 ――(前略)ジュゴンは人魚のモデルといわれる国の天然記念物である。国内では沖縄本島周辺にしか生息せず、確認されているのは個体A、B、Cと呼ばれる三頭だけである。

 辺野古新基地建設が進む前は、辺野古・大浦湾などで海藻藻場の食み跡が確認されたり、周辺海域で回遊する姿がみられたりした。

 ジュゴンネットワーク沖縄が死骸を調べ、体の特徴から三頭のうちのBと断定した。親子とみられる二頭のうちの親の方である。

 最後に見られたのは今年一月八日。古宇利島周辺が主な生息域で、埋め立て土砂を積んだ運搬船が名護市の西側から東側に回る航路を取るため、影響が懸念されていた。

 ジュゴンBは古宇利島を離れ、辺戸岬を回り、西海岸の安田沖に移動したことがある。日本自然保護協会も、運搬船が生息に影響を与えた可能性を指摘する。(後略・引用終わり)

 社説は抑制的に書いているが、辺野古新基地建設に伴う埋め立て用の土砂の運搬船の航路が、ジュゴンの移動ルートと交差している。ジュゴンの死は、船と接触したせいでないのか。米軍のために、日本の宝である豊かな美海を破壊し、ジュゴンまで死なせた疑念がある。埋め立て工事を止めて、徹底的に調査せよ。当然の主張であろう。枕はここまで。

 あさひかわ商工会(中村彰利会長)と北海道中小企業家同友会道北あさひかわ支部(粟田和成支部長)が二十日、旭川大学の公立化を早く実現するよう求める要望書を西川将人市長と杉山允孝・市議会議長に手渡した。

 要望書では、昨秋の市長選で、西川市長が「旭川大学の公立化実現に向けた検討を進める」との公約に掲げて当選し、市議会の特別委員会で議論が続いているが、「公立化に消極的な会派もある」とした上で、次のように現状を分析する。

 ――少子高齢化が急速に進む我が国にあって、地方都市における大学の存在は、単に子どもや若者の教育機関という意義にとどまりません。経済や文化・教養の分野への貢献はもとより、行政機関や企業と強く連携し、そのシンクタンクの役割を果たすことで、まちに活力をもたらし、まちの未来をつくると言っても決して過言ではありません。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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