読売新聞を購読している友人と会った際、雑談の中で、「『安倍改憲に勝つ』という字を見てびっくりしたよ」と教えてくれた。憲法記念日の五月三日付の朝日に掲載された意見広告が、同じ日の読売にも載ったのだと初めて知って、いささか驚いた。安倍政権を“ヨイショ”することが少なくない新聞に、「武力で平和はつくれない」「民主主義はどこへ行った」「アベノミクスは大失敗」、そして「安倍改憲に勝つ」との見出しが躍ったのである。

 それぞれの見出しの主張のさわりを抜き出してみよう。「武力で平和はつくれない」には――。

 「私たちの憲法はアジア太平洋戦争の反省に基づき、主権者が政府に課したものです」

 「『改定憲法』の二〇二〇年施行を念頭に置く安倍政権は、自衛隊の災害救援活動礼賛や自衛隊家族の心情など情緒論を前面に出して、改憲の危険性から人びとの目をそらそうと躍起になっています。しかし、権力者がしばしば自分たちの都合に合わせて憲法や法律を変えてきた歴史を、私たちは忘れるわけにはいきません」

 「民主主義はどこへ行った」には――。

 「この沖縄の民意は一朝一夕に得られたものではありません。粘り強く県民投票を準備してきた多方面の人々の努力の結果示されたものです。しかし、日本政府はそれを平然と無視し、工事強行を続けています。沖縄には民主主義がなくてもよい、というのでしょうか。そんな安倍政権にこれ以上政治の舵をとらせる訳にはいきません」

 「アベノミクスは大失敗」では次のように主張する。

 「このマネーゲームにより一部大企業が利益を享受する一方で、中小企業の経営や市井の暮らしは疲弊してきています」

 「深刻な原発事故を経験していながら安倍政権がその危険性を省みることなく成長戦略の要としてすすめた英国やトルコなどへの原発輸出も今や壊滅状態です。大いなる失敗作といわざるをえないアベノミクスとともにもう彼らには退場してもらうしかありません」

 そして、「安倍改憲に勝つ」――。

(工藤 稔)

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