野党議員の質問にお役人が見え透いたウソを言う。そんな場面をテレビで見ている家人が「こんなウソをつくために役人になったはずじゃないのに。ウソをつかせる政治家は罪深いわね」とつぶやく。彼女の父親は学徒動員を経験した役人だった。

 桜を見る会の参加者名簿が、野党議員が資料請求した一時間後に、偶然、シュレッダーにかけられる。バックアップデータは、復元不可能だと聞いている。そもそもバックアップデータは、行政文書ではない。

 そんな強弁が「ウソ」だと、子どもでもはっきり分かる。この国を動かしている人たちが、明らかなウソをついても平気でいられる。倫理、道徳の破壊である。

 これって、子どもたちの教育上いかがなものか。このような方たちが推し進める「愛国心」「道徳教育」って、どのようなものなのだろう。

 憲法改正より先に、「総理大臣をはじめとする閣僚はウソを言ってはいけません」と閣議決定してもらわなければならないと、つくづく思う。枕はここまで。

 記事が人を傷つける典型のような【おわび】です。読者からメールが届いた。前号の小欄に対する丁寧な抗議とご意見である。以下。

 ――十二月三日付の編集長の直言を拝見しました。

 現旭川市総合庁舎を解体してしまうことは非常に残念なことであり、可能な限り存続への模索と提言を続ける工藤さんの行動には賛同しております。

 ただ、この度の直言には現庁舎の価値を次世代へ引き継ぐ手法の検討に対してまで非常に批判的な書き方をされていた事に悲しい思いを持ちました。

 壊してしまえば終わりだ、それ以上の検討は何の意味もない無駄だという雑な切り捨て方には非常に違和感があります。「言葉のあや」「記憶なんてその程度」「残影」、最後には「アリバイづくり」とまで。

 私ども「旭川の歴史的な建物の保存を考える会」では会の原点として、昭和六十三年の藤井病院の解体に際して入念な調査と資料の整理、そして思いの詰まった記念誌を発行することにより、持ち主であった藤井聖子さんの心に寄り添うという手法をとり、それ以降三十年以上に渡って現在も藤井さんから賛助を得るという関係を続けています。

 価値あるものを保存するというのは当然の事でありますが、保存できないものが存在することも当たり前の事であり、その場合にその建物の価値をどのように継承するかという事を考える事は「旭川の歴史的建物の保存を考える会」の存在意義そのものでもあります。

 それを「意味の無いこと」とされる事には憤りを感じます。

 冷静に考えて頂きたい。「保存に関して最大限努力する事」と、「保存できない物の価値の継承手法を検討する事」は、相反するものではありません。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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