十七日号の小欄で紹介した、読者からの「CO2温暖化論の本音が見えてきた」とタイトルを付した意見について、友人でもある読者からメールが届いた。そもそもは、道新に載った「電気事業連合会」の原発推進の広告に対して、「石坂浩二、いい加減にしろよ」と書いた拙文が発端である。紹介しよう。

 ――17日付けの「直言」で貴兄が紹介していた、「地球温暖化」と「火発」との関係についての読者の方からのファクシミリについてです。

 アメリカのゴア氏のことなどについてのアメリカの事情については、いろいろ政治的な見方はあるのでしょう。

 しかし、私の読み違えでなければ、「火発」より「戦争」の方が地球温暖化に大きな影響があるという言い方は、少々乱暴に過ぎるもの言いだと思います。

 そのふたつをステレオタイプのような位置関係に置いて論じることには納得がいきません。どちらも、この地球に存在してはならないものだからです。もちろん原発などは論外ですし。

 その方が、どういう思いで言っているのかは知る由もありませんが、結果的に世の「火発」推進論者の犯罪性を薄めてしまうことにもなりかねませんし、多くの方に誤解を与えることにもなりかねません。

 その方の論法に類似したもので「化石燃料だけでなく、世界中で飼われている牛や反芻獣が『ゲップ』することで放出される二酸化炭素の方が無視できない」というものがあります。

 純粋に「ゲップ」だけを見れば、統計予測的にはそうなのかもしれません。しかし、だからといって、そのことが「火発」の存在や新設を擁護・免罪する理由にまったくならないことは明白でしょう。

 何のときでもそうなのですが、ステレオタイプだけでものを考えるときに陥りやすい危険性なのだと思います。繰り返しになりますが、「戦争」と「火発」を対極的に置いて論ずるのには、まったくな納得がいきません。

 どちらも私たちが暮らす地球のためには有ってはならないものだからです。長文、失礼しました。

 「コロナ」である。まさしく非常事態だ。「中小」や「零細」と呼称される企業から、個人事業主、小さな飲食店や商店にいたるまで、明日潰れるか、明後日廃業か、三日後夜逃げか、そんな瀬戸際にある。まだ表面化、顕在化はしていないが、ここ一カ月、二カ月のうちに、まちを底辺で、広く支える経済が壊滅的な状態に陥る可能性がある。

 一九四五年の敗戦後、私たちが経験する初めての、いや、おそらくこの地域の有史以来、初めての異常事態である。だから、誰もが身動きできないでいる。様子を見るしかない。じっと耐えるしか方策がない。冷静なのではなく、「金縛り状態」だと言っていい。

 この非常時に、給料が滞る心配のない、旭川一の優良企業の旭川市役所は、年間スケジュール通りに、人事異動を行った。今号の記事にあるように、西川市長は定例会見で何を言うかと聞けば、「地域経済への影響を抑えるため、国や道が現在打ち出している各種制度の運用状況などを見極めつつ、金融機関などと連携を図りながら、市内の事業者を支援する施策について検討していく」と、お役人が書いたであろう作文を読み上げる。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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