日常的にメールをやり取りする友人からの便りの末尾。

 ――首相が対策会議なるもので何を言うのかと思えば、「布製のマスクを配ります」だと~。首相自らが言うようなネタかっつうの。

 二日付毎日新聞一面のベタ記事。

 ――安倍首相は1日の新型コロナ感染症対策本部の会合で、再利用可能な布製マスクを全国5000万余りの全世帯に2枚ずつ配布すると表明した。

 二日夜、三・六街に出かけた。取材である。最後に入った蕎麦屋の若い店員と「コロナ」の話になった。「人が少し出始めたところに、志村けんがコロナで死んだってニュースでしょう。近い人っていうイメージがあるから、人出がピタッと止まった。しばらくダメでしょうね」。売上が平常時の二割もないと嘆きながら、「それにしても、安倍さんって、本当にアホだったんですね。笑っちゃいますよ。一世帯に布製マスク二枚って、三人家族はどうするの? 郵送費を含めると二百億円ですって? そんな金があるんだったら、マスクよりも金を配ってよ。庶民の生活から、完全にずれちゃってる」と真面目な顔で怒った。

 東京都の知事がテレビカメラの前で繰り返し、国に緊急事態宣言を出してくれ、と懇願している。奇妙な光景である。それほどの緊急事態ならば、東京都が率先して宣言すればいいじゃないか。それとも、国が宣言すれば、補償だの、対策費だの、経費は国からやって来る、という単にお金の問題なのか? 都が独自で宣言したら、自腹を切らなければならないから? この国の価値観、命より金か。枕はここまで。

 前週の小欄について、建設関連の企業経営者から電話をいただいた。「直言で書いていた、国や道の対策を待つのではなく、自治体が独自に取り組める経済対策を遠軽町がやるって、今日の建設新聞に載ってるよ。ファクス送る。旭川の市長さんも、政治家なら、これくらいの発想が出て来ないものかね」。

 北海道建設新聞の記事は、網走管内遠軽町の町長が三月三十一日に開いた記者会見で、新型コロナウイルスの影響で大きな影響を受けている町内の中小企業を支援する目的で、プレミアム付き食事券の発行や飲食店、宿泊施設の水道・下水道使用料免除などを盛り込んだ支援策を発表したと伝える。

 町が実施した調査では、二月の一カ月間に人数で五千人、金額で二千万円分のキャンセルが発生しているという。記事は「支援策は町内中小企業に少しでも元気を取り戻してもらう“応援メッセージ”だ」との町長の言葉も紹介している。
 道内第二の人口を持つ我がまちのお役人からは、「小さな自治体だから動きやすいよね」、みたいな言い訳が聞こえてきそうだ。その言い訳、本当か?

(工藤 稔)

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