馴染みのお店の主人が、あきれた表情で教えてくれた。「知っています? 西川市長がフェイスブックの動画で、意味がないことしゃべってるって」。

 彼は、小売店の店主だ。三・六街などの飲食店にも少なからず顧客がいる。当然、「コロナ」の打撃を受けて、商売は厳しい。「市役所の人たちは、街がどんな情況になっているか、全く分かっていないんでしょうね。シャッターを閉めた店のうち、二度とシャッターを開けない店が相当あるんじゃないかなあ」。

 教えられた市役所のホームページでフェイスブックを見つけ、十五日に投稿した西川市長の動画を拝見した。マスクをした市長は次のように市民に呼び掛ける。
 ――皆さん一人ひとりの冷静な行動と正確な情報が感染を終息に向かわせる大きな力になります。

 そこで、今一度市民の皆さんにお願いです。手洗い、うがい、咳エチケットを徹底しましょう。密閉、密集、密接の「三密」を避けましょう。不要不急の外出を控えましょう。

 この三つが今一番必要なことであり、私が市民の皆さんに是非、お伝えしたいことです。このことが自分を守り、未来を担う若い皆さん、大切な家族や友人を守ることにつながります。

 私も市民の皆さんの命と健康、暮らし、そして旭川を全力で守ります。共に新型コロナウイルスに立ち向かいましょう。

 この投稿に寄せられたコメントの一つ。

 ――そんな事は理解している者は理解している。出来てない若(も)しくは、知っててやってない者たちをどうにかせねばならないのではないか?

 西川市長が頭に立って出来る事は山程有るだろう。使わなくても良いところにお金を使って、使わなくてはならない所にお金を使わないと言う市長の決断の意味がわからないが。

 もう一つ、読者からのメールを紹介しよう。本州から、旭川を選択して移り住んだ、“新・旭川人”である。創業して間もない、個人事業主。「コロナ」の直撃を受けている。以下、「匿名の一市民の独り言」の名で届いたメールを。

 ――大変な、またお忙しい中、独り言をお許しください。

 旭川市の動きを見ていたら、最近、旭川市民でいることが恥ずかしくなってきました。

 無能だけならまだしも、微動だにせず無策、無関心、無意味(必要なことをせず意味のないことばかりやる)の裸の王様が君臨する限り、その間にも自ら命を絶つ人がいるのではないかと心配です。

 はたから見ていると、これほどまでに、自らのまちや市民に関心のない自治体があるのだろうか、と不思議でなりません。

 平時から熱をもって自分たちの頭で考え、動いているかどうか、このような緊急時に大きな差となって如実に現れていると感じます。

 旭川の落ち込みはそりゃそうだよな、と日に日に納得が深まっています。(引用終わり)

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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