国会は十七日で閉会するそうだ。賭けマージャンで急転した検察庁法改悪も、持続化給付金の委託を巡る“中抜き疑惑”も、河井克行・あんり夫妻への一億五千万円の選挙資金も、そうそう、コロナが絶妙のタイミングで目くらましをしてくれた「桜を見る会・前夜祭」も、国会を開いていれば野党に追及されるネタはゴマンとある。

 二〇一七年の「加計学園」のときと同じだ。野党の追及を嫌った安倍首相は、「総議員の四分の一以上の要求があれば臨時国会を召集しなければならない」と定める憲法五十三条を無視し続けた。三カ月後、安倍首相は臨時国会を召集したその日に、衆議院を解散している。

 沖縄県選出の国会議員四人が、この時に臨時国会を招集しなかった安倍内閣を「憲法違反」だとして訴えた裁判で、那覇地裁は十日、一般人にはよく意味が分からない理由で、訴えを退けた。ただ、判決では「内閣に臨時会を召集するべき憲法上の義務がある」「(内閣が臨時会を召集しないという判断は原則できず)違憲と評価される余地はある」として、裁判の対象になると指摘、国の「高度な政治性を有し、裁判の対象にはならない」との主張を否定している。判決はやりたい放題の政権にとって一定程度の「歯止め」になるかも知れない。このニュースは、さほど大きく扱われなかったけれど。枕はここまで。

 仕事柄、言葉には少し敏感だ。ここ数年、急激に、テレビやラジオのアナウンサーのアクセントが、平べったくなっていると思いません? 例えば、コロナ禍で、耳にすることが多かった「クラブ」。「ク」にアクセントがあるはずなのに、平べったく「クラブ」と発音されると、女の人がきれいな服を着て横に座ってくれる、あのクラブとは別の何かを指しているのかな? と考えたりして。他にも、「リズム」「ズーム」「ライブ」…。言葉は時代の移ろいとともに変わっていくのだろうが、お手本になるべきアナウンサーが率先して変えちゃうというのも、なんだかなあ。

 さて、その言葉の話。小池百合子東京都知事が、十二日午前零時、「東京アラート」を解除したそうな。「アラート」って何よ。英語が超苦手なオジサンは、調べてみた。英語で、①警報、警告、②警戒、待機の姿勢にあること。そんな意味。つまり、簡単に言えば、都内の感染状況を知らせる警報だ。それなら、「東京警報」とか、「東京警戒情報」でもいいじゃないか。

 エジプト・カイロ大学主席卒業をひけらかしたいのか、この方、とにかく横文字が好きだ。「オーバーシュート」だの、「ロックダウン」だの、「ウィズ コロナ宣言」だの。

 コロナ禍で学校が閉鎖されたことで、急に持ち上がった「九月入学」論でも、小池知事は「九月入学がグローバルスタンダードだ」と繰り返し主張した。この「グローバルスタンダード」という言葉、「国際標準」「世界標準」みたいな意味で使っているのだろうけど、日本人が作りだした和製英語だというじゃないか。カタカナ言葉を使えば、舶来に弱い日本人を煙に巻けると高をくくっているのか、このタヌキ化粧の都知事は。

 で、そのグローバルスタンダードだという九月入学、これもウソみたい。調べてみると、九月に入学式を行うのは、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、ロシア、中国、ベトナムくらい。シンガポール、マレーシア、フィジーは一月。オーストラリアやニュージーランドは二月。隣国の韓国は三月だ。ほかにも、タイは五月、フィリピン、ミャンマーは六月、ドイツ、スイス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、台湾は八月だそうな。

 フィンランドに住んでいる娘とのメールで、その入学の時期についてやり取りした。以下、娘からのメール。

(工藤 稔)

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