九日号の小欄で、国から届いたアベノマスクの利用・洗濯方法まで国に細かく指図されるのは、「私生活に踏みこまれるようで、なんだか気持ち悪い」と書いた。

 このところ東京で新型コロナの新たな感染者が一日に五十五人だとか、小樽の昼カラオケで合わせて十一人が集団感染だとか、そんなニュースを聞くと、「安倍首相が再び緊急事態宣言を“発出”するのではないか…」などと、お上からの「要請」を待っている自分にびっくりしたりする。「おい工藤、お前、考え方が、大政翼賛会になっていないか」と。

 いけない、いけない。こんなことでは歴史修正主義者・安倍晋三の思いのままに“美しいニッポン戦略”にまんまと取り込まれてしまうぞ。そんな時、「週刊金曜日」六月十二日号で、腹を抱えて笑える記事を見つけた。賭けマージャンで辞職した黒川弘務・東京高検検事長をめぐる話。記事には、次のようにある。

 ――この賭博での法務省の黒川氏に対する処分は「訓告」、つまり注意で終わったのである。法務省曰(いわ)く、旧知の間柄でレートも低いので不問に付すとのことだ。

 よし、それならば、堂々と賭けマージャンを楽しもうではないか。そんな安倍政権と検察庁に対して、これ以上にない痛烈な皮肉を浴びせるイベントが5月30日、初夏の日差しの中、東京・霞が関の検察庁前で行われた。題して、検察庁前テンピン麻雀大会「黒川杯」。(後略)

 集まったメンバーはマージャン卓を置いて、堂々と千点が百円、いわゆる「テンピン」のレートでマージャンを始めた。ところが、ゲームが始まった途端、警察官が駆け付け排除にかかった。警察官の数はどんどん増える。場所を日比谷公園の広場に移したが、警察官の“妨害”は続き、結局、半荘(ハンチャン)すら終わらず、金銭の授受による賭博行為は成立しなかった。記事は次のように結ばれる。

 ――大会終了後、主催者は全国各地で第二第三の「黒川杯」の開催を呼び掛けている。今後、検察はこれらの賭博行為を起訴するとしたら、その時どんな顔をして裁判にのぞむのであろうか。(引用終わり)

 生真面目な活動はもちろん大切だけれど、こんな笑える「安倍政治を許さない」が、全国各地でもっとあっていい。公権力のやり様に、誰にはばかることなく、公然と「私は、いやだ」「それは、ダメだ」と声を上げられるのが民主主義だ。それを保障するのが日本国憲法だ。どなたか、テンピン麻雀大会を企画しません? 堂々と、公開で。枕はここまで。

 前号の小紙二面「議会見たまま」で、旭川大学の公立化について、中野寛幸(公明党)は「反対」、髙橋紀博(民主連合)は「賛成」の立場から質疑をおこなったと報じた。詳細は前号を。

 二~三月に開かれた新年度予算を審議する議会で、百三十万円の公立化関連予算には、「議会の理解を得る」ことを執行の条件とする六項目の付帯決議が付けられた。旭川市が二〇二二年四月を予定する旭大の公立化を遅らせるのが目的なのか、と勘繰りたくなるような、いかにも“議会的な”、市民には理解できない政治手法である。

 三月三十一日号のあさひかわ新聞は、この付帯決議の可決について、「二〇二二年四月の開学に向けた作業が遅れる可能性が出てきた」と伝えている。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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