このニュースを読んだり、目にしたりした市民は、どう受け止めるのだろう。二十一日付読売新聞の道北版から引用する。

 ――旭川市の公園で今年三月、中学二年の広瀬爽彩(さあや)さん(当時14歳)が凍死しているのが見つかり、市がいじめの有無を調べている問題で、西川将人市長は二十日、市教育委員会に対し、第三者委員会が進めている調査の情報開示などを求める文書を提出した。

 西川市長は遺族の代理人弁護士が十八日に実施した記者会見を念頭に、「ご遺族に寄り添って、一刻も早い真相究明に向けた調査を行い、内容についても情報開示をお願いしたい」などと述べた。

 この問題では市教委が第三者委員会を設置し、調査している。遺族の代理人弁護団は十八日の記者会見で第三者委について「情報共有があまりにも少なく、不信感がある」などと批判した。(引用終わり)

 ベタ記事だが、「黒蕨真一教育長(左)に文書を渡す西川市長」とのクレジットが付された写真が載っている。

 例えば、一般市民の代表格、我が家人などは、「ねえ、教育長って、市長が任命するんじゃないの? 組織が違うといっても、もともとは市の幹部、市長の部下でしょう? 市長室に呼びつけて、指示すればいい話じゃない。どうして報道陣を集めて、文書を手渡すセレモニーをして、ニュースにしてもらわなければならないの? ねえ、何か特別な理由があるの?」と不思議がる。その通り。何かあるのだ。

 文春オンラインを含め、この問題の記事を読むと、多少の錯誤や誇張があったとしても、亡くなった少女が通った学校も、転校した学校も、そして報告を受けた市教委も、重大な責任があると思う。いじめを受けた少女の救済を一番に考えなかった、様々な理由をつけて表沙汰にしたくなかった、内輪の論理で片付けようとした、その責任は厳しく問われなければならない。もちろん、報道が事実ならば、犯罪行為とも呼べるグロテスクないじめを行った加害者の少年少女たちも、相応の戒めを受けるべきだ。そのためにも第三者委員会の公平で、誠実で、迅速な調査に期待する。

 その上で、先の「何か」に注意を払わなければならない。五月十八日号の小紙一面は、市議会の経済文教委員会で行われた、「遺体で発見された女子生徒」の問題について四議員が質問し、市の対応を批判したと報じた。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。