市内はもとより、ロシア、韓国、中国などでも公演活動を行っている神楽岡太鼓保存会(稲垣紀夫会長)が、九月にサンフランシスコで行われる「アメリカ文化交流記念太鼓祭り」に参加することになった。

 同保存会は、一九九〇年(平成二年)に旭川の開村百年を記念して、神楽岡地区の若者らで発足。現在の会員は五歳から六十歳代までの約七十人で、毎週二回の練習を行い、年間公演回数は四十~五十回を数える。

 二〇〇一年にはロシア・ユジノサハリンスク市、〇四年には韓国・水原市、〇五には、中国でそれぞれ公演を行っている。

 今回のアメリカ公演は、サンフランシスコにある仙台市出身の福泉正博さんが経営する老人福祉施設が、東川の福祉専門学校の生徒を受け入れている縁がきっかけ。同施設では、経営者が太鼓好きなこともあり、ワインの樽に皮を張った太鼓を作って演奏しているという。アメリカに研修に行った生徒の一人が、同保存会のメンバーの子どもだったことで、交流が生まれた。「本場の太鼓を見せてほしい」と話がまとまり、公演が実現することになった。

 現地では、日系人らが高校や大学の生徒にPRして聴衆を集め、大きなステージも用意してくれる。公演は九月二日から四日までで、太鼓はワインの樽で作ったものを使う。

 今回参加するのは十六人の会員。三十一日に出発し、九月六日に帰国する。同保存会は、二十二曲のレパートリーがあり、そのうち十七曲は創作曲。アメリカ交流団の団長を務める今野勝司さん(57)は「日本の文化伝承と国際交流に貢献したい」と抱負を話している。