旭東高や道教育大旭川校で書道教諭として活躍した塩田慥洲さん(しおた・ぞうしゅう、本名・慥=たしか)の生誕百周年を記念した「塩田慥洲書展」が九月二十一日から二十四日まで市民文化会館展示室で開かれる。

 塩田さんは一九〇七年(明治四十年)九月十一日、渡島管内長万部町生まれ。五歳の時に愛別町に移り、十五歳の時に町内の狩布(かりっぷ)小学校(後の旭山小、廃校)で代用教員となり、二十歳で正教員に。その後、旭川市立女学校(北都中の前身)、旭東高の教諭、道教育大旭川校講師として書道を教えた。旭川書道連盟顧問、墨原社代表なども務め、〇二年三月、九十五歳で亡くなった。

 旭川の書道教育界に大きな足跡を残した塩田さんの作品を紹介しようと、関係者が中心になって実行委員会(渋谷北象委員長)を設立、記念館「造心窟(ぞうしんくつ)」(九ノ十二)に収められている約三百点の作品の中から、四十四点を展示する。

 作品の中には代表作の「盲亀浮木(もうきふぼく)」(七二年)、「原爆行」(八一年)など、幅三メートルを超える大作もある。塩田さんは子どもの頃に書いた添削付きの作品や、教員免許状、賞状、依頼文の原稿などを丹念に保存しており、これらゆかりの品の一部も展示される。

 造心窟を管理する次男の惇さんは「旭川の書道界で、生誕百年の記念展が開かれるのは初めてです。父の生きざまを、書道に携わる方だけでなく、広く市民の方に見てもらえればと思います」と話している。

 入場無料。午前十時―午後六時(最終日五時)。