織物を楽しんでいる女性グループ、旭川カランコ会(河野方子代表)の「さき織り展」が九日から、冨貴堂ギャラリー(三ノ八冨貴堂文具館四階)で始まります。

 カランコ会は、市の職員だった河野代表が、知的障害児施設で子どもたちに織物を教えようと考えたのがきっかけで、退職後、自分の生涯学習として取り組み二十六年前、知人らに呼びかけてグループを作ったのが始まりです。

画像  「裂織り」は、着古した衣類や使い込まれた布を細かく裂いて織ります。モノを最後まで大切に使う、昔の庶民の暮らしの中から生まれた文化、究極の「エコロジー」とも言えるでしょう。

 河野さんは、札幌の指導者のもとに毎週末通ったり、さき織の本場・東北地方の各地を訪ねたりして研究を重ねながら、織の仲間の輪を広げてきました。道北地域に点在する、さき織のグループや愛好者の草分け的な存在です。

 大規模な作品展は四年ぶりのこと。二十人の会員が、一人二点以上、約五十点を出展します。親から子に譲られた留袖や振袖、タンスの中に眠っていた若い頃の着物や喪服、捨てられそうな古布を染めたり、細かく裂いたりと手間隙をかけて糸を作り、時間をかけて織り上げた労作ばかり。コートやベスト、タペストリー、インテリア小物のほか、屏風などの大作もあります。

 会場には、家具や座布団などで、懐かしい座敷の雰囲気を作って、作品の味わいを演出することにしています。河野代表は、「さき織りは暮らしの中の歴史を織る織物です。多くの方に見ていただければうれしいです」と話しています。

 十四日までの午前十時半から午後六時(最終日は午後四時)まで。入場無料。