無意識、または我慢出来ずに便を漏らしてしまう「便失禁」について考える「便失禁フォーラムin旭川」が四日、大雪クリスタルホールで開かれた。

画像 便失禁は患者に対するケア面は進歩しているが、治療を行う医療機関は少なく、また症状があっても恥ずかしさなどから治療を受けずにいつまでも治らない場合も多い。このフォーラムは尿失禁に比べて一般の人に理解されていない便失禁の正しい理解を目的に、くにもと病院の安部達也診療部長ら三人が講演した。

 安部部長は「便失禁の診断と治療」と題して話した。職員をモデルにし治療の様子を撮影したビデオや手術の写真などを示し、治療の最前線を紹介。治療法として食物繊維をしっかりとる、我慢しないなどの生活療法、リハビリなどで肛門周辺の筋肉の力をつける理学療法や薬物療法を行い、それでも改善しない場合は手術をする、などを挙げた。「治療は多くの場合安く出来るので、症状のある人は放置しないで受診してください」と強調した。

 会場には医療、福祉施設関係者など札幌から参加した人も含めて約百五十人が集まり、講師の説明にメモを取るなど熱心に聞き入っていた。