画像 秩父別町生まれの画家、丸木俊(一九一二~二〇〇〇)と丸木スマ(一八七五~一九五六)の作品を展示する「丸木俊・スマの世界」が二十日から十二月九日まで、道立旭川美術館で開かれます。

 丸木俊は、旭川高等女学校(現在の旭川西高)から東京の女子美術専門学校(現在の女子美術大学)に進みました。夫の丸木位里とともに制作した「原爆の図」シリーズで国際的にその名が知られています。また、旅先のロシアや南洋で描いた油彩画や、自ら絵と文を手がけた絵本「ひろしまのピカ」をはじめ、「つつじのむすめ」「みなまた 海のこえ」など、数多くの絵本の原画を制作しています。

 丸木スマは、位里の実母。家族の世話に生涯の大半を捧げましたが、七十歳代半ばから絵画の制作を始めました。素朴なそのタッチは、旧来の絵画の約束事にとらわれず自由で、全国的な公募展でも高く評価されました。

 スマはまた、被爆者としての体験を伝えることで、俊の絵画表現に影響をあたえました。

 今展では、二人のこうした関係にも焦点を当てながら、俊の作品については初期から晩年までの油彩やデッサン、絵本原画などを、またスマの作品は、花や人や生きものを描いた水墨彩色の絵画などを展示します。

 観覧料は一般千円(前売および十名以上の団体は八百円)。高校・大学生は五百円(同四百円)。小中学生は無料です。午前九時半~午後五時(入場は四時半まで)。休館日は月曜日と十一月八日です(芸術週間中の十一月五日は開館します)。問い合わせは道立旭川美術館(電話25―2577)へ。