農業用として主にヨーロッパから持ち込まれ、生態系に大きな影響を及ぼすと危惧されているセイヨウオオマルハナバチの監視活動報告会が十日午後一時から、上川支庁(永山六ノ十九)講堂で開かれます。

 セイヨウは、トマトのハウス栽培に用いられていますが、ハウスから逃げ出して野生化、その生息分布を急速に広げており、高山植物の受粉などを妨げるなど大きな問題になっています。

 昨年八月、大雪山系の黒岳山頂付近で発見され、九月には旭岳の姿見の池周辺でも見つかっています。

 地元の自然保護団体「大雪と石狩の自然を守る会」や「大雪山マルハナバチ市民ネットワーク」、東京大学の研究グループと上川支庁が中心となり、セイヨウの監視や防除活動に取り組んでおり、この日は、研究者からの活動報告「研究の現場から―調査を通じてみえてきたこと」や市民グループのアイデアに満ちた捕獲作戦などが紹介されます。

 参加は無料です。問い合わせは、大雪と石狩の自然を守る会の寺島さん(電話65―1940)、上川支庁自然環境係の高橋さん(電話46―5922)へ。

 報告会に合わせて、同日午前九時半から、地元の東川町でセイヨウオオマルハナバチの調査・防除に取り組んでいるグループが、同町家畜慰霊地(南町二)でセイヨウの慰霊祭を開きます。

 家畜として日本に運び込まれ、トマトの栽培などに大きな力を発揮するとして働かされながら、自然を破壊する「悪者」と呼ばれて駆除されたハチたちの霊を慰める目的です。

 研究者からのスピーチ、駆除されたセイヨウの埋葬、献花などが行われます。

 場所が分からない人は、午前九時二十分に、東川町役場に集合してください。