合唱劇「カネト」 大正から昭和にかけて、現在のJR飯田線(愛知県豊橋市―長野県辰野町)の建設工事に測量技手、現場監督として携わり、同線の完成に力を注いだアイヌ記念館の創設者、川村カ子トさん(一八九三―一九七七)の功績を後世に伝える合唱劇「カネト」が、飯田線沿線の愛知、静岡、長野各県の市民で結成された「カネトを歌う合唱団」により来年七月、川村さんの故郷・旭川で公演される。

 この公演を成功させようと十一日、作曲者の元高校教諭、藤村記一郎さん=愛知県日進市=と演出担当の田中美代子さん=愛知県瀬戸市=を迎え、ときわ市民ホールでが開かれた。

 会では川村さんを紹介するビデオや、愛知県での公演の様子を撮影した映像の上映のあと、藤村さんの指揮で劇中の歌をピアノ伴奏に合わせて全員で歌った。藤村さんはカ子トさんの測量の苦労や少年時代の描写など、歌の背景を熱心に解説しながら指導した。

 藤村さんは「きょうは劇の公演を知っていただければいいと思っていましたが、“歌ってみたい”という方が多く、大変励まされました。公演もうまくいきそうな気がします」と話していた。