旭川ゆかりの詩人、小熊秀雄の生涯を語り継ぎ、詩を志す人たちに一つの目標を提供しようと運営されている小熊秀雄賞の第四十一回の公募が一月三十一日に締め切られ、同賞を運営する市民実行委員会(松田忠男会長)は、全国から百十八点の応募があったと発表した。

同賞は、運営していた団体が一度は前回の募集を最後に賞を中止すると発表したが、市民の中から「歴史あるまちの財産を継続しよう」との声があがり、市民運動の形で新たな運営母体を組織して賞を引き継いだという経緯がある。

百十八点という応募数は、過去四十一回の中で六番目に多い。市民実行委員会の氏家正実運営委員長は、「一度は賞の中止が発表されたことから、注目度が高まったのでしょう。応募があった詩集には力作も多いと聞いています。小熊秀雄の作品が読み継がれ、その生き方が現代を生きる私たちの糧になるよう、活動を継続していきたいと思います」と話している。

今後、第一次選考、最終選考が行われ、四月中旬に、受賞作品が発表される。選考委員は、詩人の辻井喬、詩人で元北海道大学教授の工藤正廣、詩人で旭川高専教授の石本裕之、旭川在住の造形作家、藤井忠行の四氏。

授賞式は五月中旬を予定しており、正賞として旭川在住の彫刻家、板津邦夫さんがデザインし、市内の家具メーカー製作による「詩人の椅子」一脚、副賞として賞金三十万円が贈られる。