imgプロ野球・巨人軍OBで野球評論家の中畑清さん(54)の講演会「私の愛する巨人」が七日、大雪クリスタルホールで開かれ、長嶋茂雄氏とのエピソードや最近の巨人軍への思いなど、熱いトークで集まった巨人ファンを楽しませた。

スタルヒン球場が今年で竣工二十五周年を迎えるのに合わせて結成された「旭川スタルヒン球場竣工二十五年記念事業委員会」(委員長・西川将人市長)、読売新聞北海道支社などの主催。中畑さんは七六年(昭和五十一年)、駒澤大からドラフト三位で巨人軍に入団。“絶好調男”の代名詞で親しまれ、ゴールデングラブ賞七年連続受賞など巨人軍の主力選手として活躍した。八九年(平成元年)に引退。九三年には巨人軍打撃コーチに就任し、翌年の日本一に貢献。〇四年のアテネオリンピックではヘッドコーチを務めた。

北海道はよく訪れるという中畑さんは、最近、巨人の存在が日本ハムに押されて薄くなっていることが気になるらしく「最近の巨人の体たらくは何だ!」と嘆き、会場を笑わせて講演がスタート。入団当時監督だった長嶋茂雄さん(現・終身名誉監督)や、コーチ時代によく家に招いたという、ルーキー時代の松井秀喜選手(現・ニューヨークヤンキース)の印象などを身振りを交え持ち前の明るさで語り、会場は爆笑の連続。

長嶋さんの魅力について「人の話を聞かない、反省しない。とにかく前向きに我が道を行く」と分析。「野球は失敗のスポーツ。三割打者でも七割は失敗します。失敗しても引きずらず、切り替えがうまく出来ることが一流への道」と持論を熱く語った。また今の巨人について「人間的にも優れ、チームの核になる選手が松井以降いない。これではファンが心底から応援する気になれない」と苦言を呈した。

今年は七月十五日にスタルヒン球場で十六年ぶりに中日との公式戦が行われる。中畑さんは「七月にスタルヒン球場で会いましょう」と呼びかけ、巨人ファンが大勢詰めかけた会場から大きな拍手が送られていた。