img旭川を代表するラーメン店のひとつの「梅光軒」が、四月二十五日から旭川ラーメン村で営業を開始する。「元祖旭川ラーメン」が退村し、その空き店舗に梅光軒が入る。現在、ラーメン村では「山頭火」「さいじょう」「一蔵」「いってつ庵まつ田」「青葉」「天金」「いし田」の七店が営業しており、これに梅光軒が加わることになる。

梅光軒は〇六年(平成十八年)、札幌のラーメン共和国に、そして昨年はシンガポール店をオープンしており、相次ぐ出店攻勢となる。四月一日に社長に就任したばかりの井上雅之社長は「シンガポール店は私が修業して十年経ったら海外に出店したいと、以前から父(弘之会長)にお願いしていたことだったのですが、ラーメン共和国もラーメン村も家主さんからお話をいただき、たいへんありがたく光栄なことだと思っています。特にラーメン村への出店は旭川の味を提供するという重い使命をもっていると感じています」と語る。

img井上さんは地元高校を卒業後、アメリカの大学に進学。高校時代に皿洗いや出前などの手伝いをした経験を除くと、二十三歳までラーメンとは縁遠い世界にいた。ところが、五年半に及ぶアメリカでの生活でラーメンに対する思いが一段と募り、帰国後父親の元で修業をすることを決意したという。そして修業十二年目で念願だった海外出店を果たした。旭山動物園を訪れる海外からの観光客としては香港や台湾、そして最近特にシンガポールからの来園者が増加していることから、ラーメン村における梅光軒の役割も大きくなりそうだ。

改装を終えたラーメン村の店舗は本店と同じ赤を基調としたつくりで、メニューは本店で出している全品に、シンガポール店で人気の餃子を加えた。この餃子の皮には同店のラーメンスープを練り込んでおり、もちもちぷりぷり感が特長で、ラーメン村でしか食べることができない。主なメニュー価格は醤油・塩ラーメンが七百円、味噌ラーメン七百五十円、餃子は三百五十円。

ラーメン村を運営する富士管財では「すでに道内外に知名度が十分ある梅光軒が入ったことで、ラーメン村は市民にはもちろん、観光客のみなさんの要望に充分応えられる店揃えとなっていると思います」(木村政博部長)と期待を寄せている。