img北海道環境福祉専門学校(東川町)や旭川福祉専門学校(同)を運営する北工学園が創立三十五周年を記念して十六日、大雪クリスタルホールで「豊かな感性と心を育むためのオペラ鑑賞会」を開いた。二校の専門学校生ら約五百人が札幌室内歌劇場が演じる「歌唱の学校」を観劇した。

オペラの鑑賞会は「私どもの学園は社会貢献できる人材育成を目的としており、専門技術を身に付けるとともに人間性豊かな人材の輩出をめざしています。そのためにはできるだけ、本物に触れる機会を多くすることが大切だと思っています」(旭川福祉専門学校・関谷タケミ副校長)との教育方針から、〇四年から同学園と交流のあった札幌室内歌劇場の生の舞台を観賞することになったという。

同歌劇場は札幌に理想のオペラを実現しようと一九九〇年に発足。徹底した音楽分析と訓練による緻密なアンサンブル、エネルギッシュな演技が高く評価され、道内各地で多くの公演を行い、〇一年以降は東京文化会館から招聘を受け、一〇年には新国立劇場での公演が決まっている。

この日演じられたオペラ「唱歌の学校」は日本とイギリスの子どもが友情を育むという物語で、歌唱や童謡などの二十七曲が盛り込まれている同劇場のオリジナル作品。聞き慣れた「富士山」「すずめの学校」「あなんたがたどこさ」「故郷の空」「仰げば尊し」などが叙情豊かに歌われ、会場を埋めた学生たちは、笑いあり涙ありのコミカルな演技に熱心に見入っていた。最後は劇団員と学生が声を合わせた大合唱でオペラ鑑賞会を終えた。

同学園では「これからも機会ある毎に本物に触れる機会をつくっていきたい」(旭川福祉専門学校・南雲景正校長)としている。