旭川市保健所(荒田吉彦所長)は二十日、採血器具のキャップ部分が、今年三月末まで使い回しされていたと発表した。使い回しによる感染例は国内では報告されていない。ただ、厚労省は〇六年三月、使い回しの危険性を把握し、複数の人に使用しないよう各自治体に通知。同保健所でも通知が来たことは知っていたが、担当職員が内容を熟知していなかったという。今年四月からは、キャップ部分も交換する機種に変更している。

同保健所では一九九六年から健康相談、健康教育を実施。また、二〇〇〇年からは健康まつりを開き、希望者に対して糖尿病の早期発見のため血糖値の測定を行っている。使用する採血器具の注射針については個別に交換していたが、皮膚に直接触れるキャップ部分については、アルコールで消毒し、複数の利用者に使用していた。

希望者はトータルで、健康相談・健康教室が千七百五十一人。うち〇三年以降の利用者四百九十六人は特定できているため通知する。しかし、それ以前は特定できないほか、健康まつりで採決した千三百九十六人も分かっていない。

荒田所長は「市民の健康を守る保健所として大変申しわけない」と陳謝。参加した市民の不安を解消するため相談窓口を設置する。問い合わせは旭川保健所保健指導課地域保健第1・第2係(TEL26―1111内線2961―2965)まで。