img日本ベラルーシ市民友好協会(代表・永江雅俊、天寧寺住職)は、二十二年前のチェルノブイリ原発事故で被曝(ひばく)した人たちの保養のため、九三年(平成五年)から毎年、ベラルーシ共和国(旧ソ連)の子どもたちを招いている。今年も二人の生徒と引率役の大人二人を招いた。

事故現場の周辺地域は今なお強い放射能が残留しており、ほとんどの子どもたちが甲状腺の異常などに苦しめられている。被曝した身体は、汚染されていない地域で一カ月間保養することで、約二年間の抗体を持つとされる。日本滞在中は、保養者の身体はもとより、精神面でも被曝の不安から解放するために、周辺は努めて被曝を話題にしない。

今年協会が招いた一行は、ツァルイコ・ジェーニヤさん(13)、ストィスキー・ジェーニヤさん(15)、カプル・アレキサンドルさん(43)、アバランパルスキー・ニコライさん(47)の男性四人。八月六日に居住地を出発し、八日夕方に旭川に着いた。天寧寺(永山四ノ二十)を中心に保養。期間中には京都旅行なども楽しみ、三十日に帰国の途に付いた。

二十六日には旭川東高を訪問。同校の生徒代表たち六人と会話を交わし、記念品を交換して交流を深めた。また茶道部のもてなしも受け、和菓子と抹茶を味わった。

代表の永江さんは、旭川東高の富樫一憲校長らとの会談の中で、「事故からすでに二十二年が経ち、この子たちは原発事故の後から生まれた世代です。私たちはどうしても子どもたちのことが気がかりですが、事故直後の数年間を含め、強い放射能を浴び続けている大人の方が、むしろ健康状態は深刻です」と現地の状況を話した。