img紫山流松永社中の習作展がギャラリー多夢座(神居四ノ一、トヨタタムザ神居二階)で開かれている。

紫山流には、高度に芸術化した箱庭の「盤景」、盤景を発展させた彫刻的な絵画「浮彫画」、砂状の大理石を使って描く「砿石(こうせき)画」の三つの表現方法がある。一二一二年に茶の湯や生け花などとともに大陸から入って来た文化のひとつだ。

今展ではその三表現の全てを展示。紫山流宗家補佐で旭川支部長の松永きくえさん(80)をはじめ生徒たちの作品が並んでいる。松永さんは五十七年前から紫山流に取り組んでおり、生徒たちも三十年近いキャリアがある人が多い。

三表現のうちで最も難しいとされるのが砿石画。着色された大理石の砂を指でつまみ、接着剤を塗った板の上に少しずつ落として制作していく。筆で描いたように自然な表現が出来るまでには三十年かかると言われるほど。ぼかしの表現に優れており、山並みや波しぶき、また湖にかかる霧の幻想的な表情は見事だ。

二十九日まで(きょう二十三日は休廊)。午前十時~午後五時(最終日は午後四時まで)。