img上川管内の道立高校では初めてとなる「いす式階段昇降機」が、鷹栖高校(山崎龍弥校長、生徒数百十六人)に設置された。

この昇降機は今年度入学した重い心臓疾患を持つ一年生の女子生徒の移動を容易にすることを目的に設けられた。

この女子生徒は学校内で車椅子を使用しており、これまでは二階での授業は移動式昇降機の使用や人的補助でおこなっていたが、より安全で便利にと、合格発表後の今年三月下旬、学校側が道教育委員会に設置を要望していた。設置が決まったのは七月だったが、オーダー品のため完成までに三カ月ほどを要した。

十二日、本校舎棟の階段に曲線式が、特別教室棟には直線式の昇降機が設置された。取材に訪れた二十四日は、午後二時半から一年生を対象とした使い方の説明会がおこなわれた。メーカー担当者の説明を受けながら、生徒たちは実際に昇降機の乗り心地を実感した。

この日は気温が二十℃に満たなかったことから女子生徒は体調不良で欠席したため、昇降機の体験をすることはできなかった。

「同級生が女子生徒を介助する機会があるかも知れないので、生徒たちには昇降機の使い方をよく知ってもらいたいと思い説明会を開きました」と菅野誠教頭。同校では病気や怪我をした生徒にも使用してもらう考えだ。

この昇降機の速度は毎分五・八メートル。本校舎二階までの到達時間は約二分。九十キロまで積載可能。総工費約五百八十万円だという。