img髙砂酒造(宮下通十七)で、同酒蔵の最高級酒「一夜雫」の搾り作業が佳境を迎えている。

この作業は、かまくら状の「アイスドーム」内で行われるもので、寒冷で雪が多い旭川の地の利を生かした酒造法。一九九〇年(平成二年)に始まり、毎年続いている。

アイスドームの中は、気温が氷点下二℃前後と低温に保たれ、雑菌の侵入から酒を守る。また湿度が九〇%あり、乾燥から酒の香気が逃げるのを防ぐ効果もある。

アイスドームの成形に適した気温は氷点下十五℃以下だが、今年はそうした日が少なかった。例年は二日間で作るが、今年は一月十七・十八日と二十五日の三日間を要した。またドームのサイズも例年の十メートルから八メートルに縮小した。

木綿の袋から滴り落ちた酒は、その後に火入れ、熟成の工程を経て、十一月一日の出荷を待つ。全国の百貨店を主として販売し、生産量の七割ほどが道内で消費される。