浜江順子さん第四十二回小熊秀雄賞の贈呈式が十六日午後、花月会館で開かれた。旭川ゆかりの詩人、小熊秀雄を顕彰するとともに、全国で詩作に励む現代詩人たちの一つの目標となることを目的に、市民実行委員会(松田忠男会長)が運営している。

第四十二回の公募には全国各地から五十五点の詩集の応募があった。

四月四日、市内高砂台の和風旅館「扇松園」で開かれた最終選考会では、詩人・作家の辻井喬、北大名誉教授の工藤正廣、旭川高専教授の石本裕之、造形作家の藤井忠行の四氏が熱心な論議の末に、東京都日野市在住の浜江順子さんの「飛行する沈黙」を選出した。

式では、浜江さんに松田会長から正賞の「詩人の椅子」と副賞の三十万円が贈られた。また、椅子をデザインした板津邦夫・元道教育大旭川校教授にも、実行委員会からの感謝を込めて詩人の椅子が贈られた。

選考委員の石本裕之さんが選考過程を報告。「応募数は前回に比べて少なかったが、レベルの高い作品が多かった」などと述べた。浜江さんは、「歴史ある賞をいただき光栄」と語り、受賞作の中から四編の詩を朗読、会場から大きな拍手が送られた。