新谷さん親子に感謝状心中をしようとしていた母子を説得し、保護に協力したとして、市内東鷹栖在住の運送会社勤務・新谷真樹さん(44)、介護士の麻美子さん(42)夫婦と、娘で専門学校で社会福祉を勉強している恵さん(18)に旭川東署の加茂幸夫署長から感謝状が贈られた。

四月二十六日午後十時半ごろ、麻美子さんと恵さんが市内永山町六丁目の交差点付近を車で通過しようとしたところ、母子が乗った乗用車が停止しているのを発見。「二人の様子が何か変だったので、お母さんに車を止めてもらいました」と恵さん。麻美子さんが声をかけると、三十歳代の母親は燃料切れで停止していると話しながら、急に泣きだして、生活苦から自殺をほのめかすようなことを口走った。恵さんは、現場から近かった勤務先の真樹さんに電話連絡。真樹さんが警察官を連れて現場に到着するまで、二人は母子に一時間以上にわたり、「若いのだから働くところはある」「子どもも一人で留守番できる」「どうしても困ったら生活保護もある」などと自殺を思いとどまるよう説得を続けた。

母子は駆け付けた警察官に保護され、無事親戚の人に引き取られていった。真樹さんは「私ども家族は困った人を見ると黙って見過ごすことができないようです。このような表彰をしていただき、たいへん嬉しく思っています」と顔をほころばした。

加茂署長は「自殺の気配を感じ取って説得したという、今回のようなケースは珍しい。ありがたいことです」と新谷さん親子の機転の効いた行動に感謝をしていた。