あべ弘士さんの息遣いも聞こえる 公開制作がはじまる一日、北海道立旭川美術館のロビーに墨の香りが漂った。十八日から開催される「あべ弘士動物交響楽―交差するいのちの詩(うた)」の公開制作の一つ。

旭川在住の絵本作家あべ弘士さんが、白地のふすまに下書きなしで一筆一筆墨を入れて象を描いた=写真。

来場した人たちは、あべさんが筆のリズムに合わせて「フゥー、フゥー、フゥー」と深く深呼吸をし、次第に象が完成していく様子を静かに見守った。

完成したふすま絵は、会期中のトークショーに使う茶室に使用される。この茶室はあべさんの絵本「どうぶつ句会」に登場するフクロウやキタキツネ、ゾウたちの句会「ゆきだるま」が集う茶室を再現している。

美術館での公開制作は八日から十二日にも行われる予定。

◆  ◆  ◆

「あべ弘士動物交響楽―交差するいのちの詩」は今月十八日から十月四日まで。観覧料は一般九百円(前売り・団体チケット七百円)、高大生六百円(同四百円)、小中生二百円(同百円)。問い合わせは同館(TEL25―2577)へ。