雪の美術館で野点茶会雪の美術館(南が丘三)の前庭で二十六日、野点(のだて)茶会が行われた。武者小路千家北海道官休会旭川支部の主催。

野点は、自然や景色を眺めつつお茶を楽しむ趣向で、花見の頃から初秋まで開く。歴史は古く、秀吉、利休の頃から行われているという。

雪の美術館前庭を会場にしての野点茶会は、九六年(平成八年)から毎年続けて開いている。武者小路千家・財団法人官休庵の理事で家元教授の赤羽根守一さん(53)は「野点は場所の選定が重要。この前庭は旭川の街が見渡せて景色がよく、庭自体もとても美しい」と話した。

前庭に小さな穴を掘って炉とし、三本の白樺で組んだ吊釜を設置。それを前に茶道教室の女性生徒が座って茶を点て、日頃の研鑽の成果を披露した。「教室だけでなく、こうして人前で点てる実体験が大事。生徒さんにとっては貴重な経験になります」と赤羽根さん。

会場には絽や紗など夏物の和服を着た女性をはじめ、この野点を楽しみにしていた人らが次々と訪れた。

当日の前庭にはもう一つ、小学生のお手前による野点茶会がもうけられた。同支部が文化庁の委託事業として行っている伝統文化子ども教室の一環。

子どもたちは月に一度、茶道教室に通っている。その中の一人、保科歩美さん(日章小5)は、母親のおさがりの浴衣を着て参加。「二人のお客さんに点てましたが、緊張しました。私が点てたお茶をお客さんが飲んでくれるのが嬉しい」と感想を話した。