市民が育てたサケの稚魚を放流する「サケ出発式」が四日、石狩川の秋月橋付近で行われた。大雪と石狩の自然を守る会(寺島一男代表)の主催。

 稚魚は、守る会が運営する「さけゼミナール」の会員たちが、自宅などで卵から孵化させ、育ててきた。

 当日、出発式の会場に持ち寄られた約五千匹の稚魚は、いったん酸素入りの水槽に集められ、移動中の酸欠を回復。サケの無事を祈る「カムイ・ノミ」の儀式が旭川アイヌ協議会とチカップニアイヌ民族文化保存会によって行われた後、参加者全員で放流した。

 この活動は一九八四年(昭和五十九年)から二十七年間続いている。参加する市民にとっては、愛らしいサケの孵化や幼魚の姿を、自宅で間近に観察できる楽しさがある。また放流時には、里親のような気持ちでサケを川に放つことで、川の環境改善を願うようになる。

 この活動とは別に、三月二十四日、三年間で百五十万匹ものサケの稚魚を石狩川に放流する大規模計画の二年目として、五十万匹の稚魚が愛別川の富沢橋付近と忠別川のツインハープ橋付近で放流されている。来年秋には初年度に放流したサケが三年魚として回帰し始めると予想されることから、関係者は強い期待を寄せている。