プロレスリング「ZERO1」の興行で旭川を訪れた大谷晋二郎さん(37)が十二日、市内の二つの小学校を訪問し、いじめをテーマに講演した。

 大谷選手は、プロレスリングZERO1を運営するファーストオンステージの社長兼選手。十三日に旭川地場産業振興センターで開かれた試合では、元横綱の曙などとタッグを組んでメインイベンターとして登場した。

 大谷選手は三年半ほど前、いじめの問題がクローズアップされた時に「いじめをなくすために何か自分が出来ないか」と考え、試合で全国各地を巡ることから、各地の小・中学校などを訪問する「いじめ撲滅運動」を始めた。

 プロレスラーということで、断られることも多いが、これまで百カ所を超える学校などで講演をしてきたという。

 旭川では、愛宕と旭川の二小学校を訪れ、児童を前に「僕たちは何年も厳しい、きつい練習をして、初めて試合ができる。プロレスごっこは、絶対にしてはいけない」と話し、「本当に心の強い人はいじめを絶対にしない」「心から親孝行をする人はいじめをしない」などと訴えた。

 さらに、スクワットや腕立て伏せなどを披露。愛宕小では、子どもたちと給食をともにした。

 また、市総合体育館を訪ね、五月の全国大会に出場する、旭川レスリングクラブの子どもたちを激励した。練習に励む選手たちを前に「全国大会では一生懸命に試合をしないさい」とエールを送り、所属している選手の崔領二が子どもたちを指導した。

 試合当日は、小・中学生の入場を無料にした。試合を観戦した旭川レスリンククラブに所属する、愛宕小の土山洸樹くん(四年)は「凄く強かった。自分も強いレスラーになりたい。いじめはしない」。東五条小の原聖人くん(五年)は「大谷選手は格好良かった。全国大会では金メダルを取る」と話していた。