旭川市の村開百二十周年事業の話題づくりとして、市が上川農業試験場に作付を依頼していた稲「赤毛」=写真=が順調に成育し、九月上旬に刈り取られる予定だ。

 赤毛は一八七三年(明治六年)に道南地方から上川地区に持ち込まれた初めての稲。同所が作付けしている赤毛は〇・五アール。「ここ数十年、誰もこれだけの量の作付けしたことはなかったと思います」と同所研究部長の紙谷元一さん。

 赤毛は穂に実が入ってくると赤味を帯びることから、その名が付けられた。丈が現在の稲より二割ほど高く倒れやすいのが難点。先の風雨で五、六割が倒れてしまった。また今年は気温が高い日がつづいたため丈が早めに伸びてしまい「実の入りがいまひとつ」と水稲グループ研究主幹の沼尾吉則さんは気をもむ。

 稲刈りは九月上旬を予定している。鎌で手刈りをして、はさ掛けをして乾燥させる。さて、約百四十年前の米の味は…。