障がいを持った我が子のための雇用の場をと二人のお母さんが、NPOサポートセンター(二ノ八二条ビル)の支援を受けて昨年九月から「ベアー焼き」の販売をはじめた。

 知的障がいの子どもを持つ親たちのグループ「グリーンマザーズ」に所属する石田明美さん(48)と大森由美子さん(50)が、障がい者が働く現場を見学したのがきっかけだった。一生懸命働いても一カ月一万円もらえるかどうかという現状に子どもたちの将来を案じ、働ける場をつくろうと模索し始めた。そんな時、同センターの「鯛焼きを販売してみては」という提案が二人の背中を押してくれた。

 「資格も技術もない普通の主婦でしたから、見学に行っても風当たりが厳しく、涙を流して帰ってきたこともあります」と二人。

 せっかく鯛焼きを作るならば北海道らしくと、サケを抱えたヒグマの型をデザイン。地元の臼井鋳鉄工業(永山町六)でオリジナルの焼き機を製作した。

 餡(あん)は、福居製餡所(二ノ二十)の白餡、つぶ餡、季節限定のカボチャ餡の三種類がある。道産の小麦粉、生地の隠し味に美瑛産のハチミツを使った北海道たっぷりのお焼きだ。一個百二十円。

 焼きたてはもちろん、冷めてもふんわりパンケーキのような食感。餡もたっぷりでボリュームもある。

 「雇用を生む段階にはまだまだ到達していません。ベアー焼きを通して沢山の人に会って、アイディアをもらったり、勉強したりです」と石田さん。

 場所は、二条緑橋通の「旭川らぅめん青葉 本店」のある二条ビル二階。階段をあがって、カフェミンタル内。水、金曜の午前十一時から午後三時半まで営業している。喫茶コーナーがありその場で食べることもできる。