旭川彫刻サポート隊が制作した「旭川野外彫刻たんさくマップ」を手に、七条緑道や市役所周辺の彫刻を鑑賞するイベントが二十三日午前十時から開かれた。

 彫刻の解説は、元彫刻美術館学芸員でマップの編集を手がけた斉藤知子さん(39)と、野外彫刻の清掃などを行う「旭川彫刻サポート隊」の一員で、マップのイラストを担当した坂井弘美さん(42)の二人。

 学芸員の目線から、素材、形、歴史、作者の思いなどを参加者に説明する斉藤さんと、サポート隊ならではの彫刻鑑賞の楽しみ方やこぼれ話を交えて解説する坂井さんのコンビで、素人でもわかりやすく彫刻を楽しめる内容になった。

 「彫刻は三百六十度見られます」と斉藤さん。市民文化会館のオープン時に設置された「凍れる滝」(作・志水晴児)では、場所を移動することで噴水の音が変り作品の印象も変って感じる鑑賞の面白さを伝えた。

 写真の「親和」(作・高橋清)は、丸いフォルムと柔らかな色や雰囲気から「恋人が寄り添っているように見える」、「『仲良し』という題名も合いそう」と意見がでたところで裏へ回ると、まったく違った印象に参加者から驚きの声があがった。秋晴れの中、二時間かけて十基の彫刻を鑑賞しながら歩いた。

 参加者の一人、川原久美子さん(48)は「今まで当たり前にあったので、あまり気にしていなかった野外彫刻ですが、参加したことで作者を知るきっかけになり楽しかった」と話した。

 同マップは、彫刻美術館、道立旭川美術館、JR旭川駅、まちなか交流館(四条買物公園)、レンタサイクル、あさひかわ新聞などで配付中だ。問い合わせは彫刻美術館内旭川彫刻サポート隊事務局(TEL52―0033)まで。