ドイツ・ケルン市で開かれた「ケルン国際家具見本市2011」(一月十八日~二十三日)の報告会が二十五日、旭川家具工業協同組合(永山二ノ十)で開かれた。

 今年の見本市では、同組合とドイツデザイナークラブ(DDC)が協同で「グローバローカル」というプロジェクトを発表した。「グローバローカル」とは、世界の中でも、高品質を目指し伝統的なものづくりのノウハウを蓄積してきた地域(ローカルエリア)にスポットを当て、その地域の伝統、技術という宝を、デザインを通して世界(グローバル)へと発信するプロジェクトだ。消費者の「ものの価値、もの選びと、何を買うか」といった意識の見つめ直しのきっかけ作りにするのが狙い。

 旭川からは、インテリアナス、カンディハウス、コサイン、匠工芸、クラフト&デザイン タンノの五社の家具メーカーが参加。DDCのメンバーがデザインした五点の椅子を製作、発表した。

 同組合の長原實会長=写真=は「三カ月という短い期間のプロジェクトだったので、家具としての成熟度は高いとはいえない。ただし、デザイナーと製作者を繋げるという点で成果があった」と話し、今年三月に本審査が行われる国際家具デザインコンペティション旭川2011(IFDA)と同様に、旭川家具と世界のデザイナーをつなぐ機会をつくる大きな手応えを報告した。