東海大学旭川キャンパス(芸術工学部)が今年度を最後に学生募集を停止し、四年後にはキャンパスがなくなるという事態を受けて、旭川に公立の「ものづくり大学」の開設を目指す市民の会の発起人会が三月二十九日夜、ときわ市民ホールで開かれた。

 市内近郊の各界の経済人や大学関係者ら二十人が集まった会では、長原實・カンディハウス会長が、これまでの経過を報告し、「日本人の最も得意とするものづくりの分野で、芸術的に高い知的感性を持つ、クリエイティブな人材を育成する教育機関の設置こそが、大幅な人口減が予測されるこのまちの明るい将来を開く唯一の道」などと、公立大学の開学の意義を説明した。

 討議の中では「文科省の認可が必要な公立大学ではなく、もっと柔軟性のある大学を設立すべきではないか」との意見や「経済格差がますます広がる中で、教育の機会均等の見地から、私学の二分の一の学費で通える公立大学は必要だ」など活発な論議が交わされた。

 同会は、六月中には、正式な設立総会を開催する予定で、今回の論議を踏まえ、近く二回目の発起人会を開いて、規約や活動方針などを詰めることにしている。